「肩が凝っているからマッサージをしてほしい」「腰が痛いから揉んでほしい」私たちは痛みやコリを感じると、つい体を揉んでほしいと考えてしまいがちです。しかし、揉むだけでは痛みが一時的に緩和されても、根本的な改善にはならないことが多いのです。では、なぜ揉むだけでは痛みが改善しないのでしょうか?その理由を分かりやすく解説します。
1. 揉むだけでは表面的な筋肉しか緩和できない
マッサージや揉む行為は、表面の筋肉にアプローチすることが多いです。たしかに、筋肉を揉むことで一時的に血流が良くなり、筋肉の緊張が緩みます。これにより、痛みやコリが軽減するように感じますが、実際にはそれは一時的なものにすぎません。
深部の筋肉(インナーマッスル)や筋膜の緊張は、揉むだけでは解消されにくいため、根本的な原因が放置され、再び痛みがぶり返すことがよくあります。勿論、一時的な疲労回復やリラックスが目的であればマッサージは効果的です。
2. 痛みの原因が筋肉ではない場合もある
痛みの原因は、単に筋肉の緊張だけではありません。たとえば、姿勢の乱れや関節の動きの悪さ、さらには神経や血流の問題が原因となっている場合もあります。これらの問題は、筋肉を揉んでも改善されません。
姿勢の崩れが原因であれば、まずは姿勢を正すことが必要ですし、関節の動きが悪い場合には、それを改善するためのストレッチやエクササイズが求められます。神経や血流が圧迫されているケースでは、適切な動きや姿勢を学び直すことが根本的な解決になります。
3. 痛みのメカニズムは複雑
私たちが感じる痛みは、単純な筋肉の硬直だけでなく、神経や脳との関係も深いです。例えば、慢性的な痛みがある場合、脳が痛みを「記憶」してしまうことがあります。この場合、筋肉を揉んで一時的にほぐしても、脳が痛みを感じ続けてしまい、症状は根本的に解決しません。
また、神経が圧迫されている場合、筋肉を揉むこと自体が神経をさらに刺激してしまい、かえって痛みが悪化することもあります。
4. 根本的な原因にアプローチすることが必要
痛みを根本的に改善するためには、単に痛みが出ている場所を揉むのではなく、原因となっている部分にアプローチすることが必要です。例えば、肩こりの原因が首や肩甲骨周りの筋肉の緊張であれば、それに対してストレッチや姿勢改善、インナーマッスルの強化などが有効です。
腰痛も、腰だけを揉んでも改善しない場合があります。原因が骨盤や股関節の動きの悪さ、またはインナーマッスルの弱さであれば、ピラティスや特定のエクササイズで体全体のバランスを整えることが重要です。
5. 正しい身体の使い方を学ぶことが大切
痛みを根本的に解消するためには、身体の使い方を見直すことが不可欠です。例えば、座り方や立ち方、歩き方に問題があると、体の特定の部分に過度な負担がかかり、痛みが再発することがあります。ピラティスのようなエクササイズでは、正しい姿勢や動きのメカニズムを学ぶことができ、これにより、体に負担の少ない動きを身につけることができます。
根本的な解決には「身体の使い方」を見直そう
揉むこと自体はリラクゼーション効果があり、一時的に痛みを和らげることはありますが、根本的な解決には繋がりません。長期間痛みを抱えている場合は、筋肉や関節の使い方、姿勢の改善が必要です。特にピラティスなどの方法で、正しい動き方や体の使い方を学ぶことは痛みの再発を防ぎ、健康な体を取り戻すことに効果的です。
身体の痛みや不調を根本から改善したいと考えている方は、一度専門的な視点で原因を見直し、正しいアプローチを始めることをおすすめします。